東京学生柔道連盟海外研修に参加して

2013/05/02

2012年度の東京学生柔道連盟海外研修に齋藤悠樹(4年)が参加しました。以下はそのレポートです。

海外研修を経て
~モントリオール・ワシントン・ニューヨークを巡って~
 
 今回、東京学生柔道連盟の代表として海外研修へ参加しました。行き先はカナダのモントリオールとアメリカのワシントンDC、ニューヨークでした。出発前までは始めての海外への不安と、メンバーとうまくコミュニケーションが取れるかどうか心配でしたが、カナダへ着いてメンバーと話すうちいつの間にか打ち解け、それぞれニックネームや名前で呼ぶようになっていました。
 カナダへ着き、一日目は疲れていたためすぐに就寝しました。二日目は専用バスをチャーターし、モントリオールの町並みを観光しました。一番感動したのがノートルダム大聖堂でした。いままで大きな教会に入ったことがなかったため、教会の大きさとステンドグラスの神秘的な美しさに感動し、途中まで写真を撮ることを忘れてしまいました。その後、日本の本郷先生が指導を行っている道場、「志道館」へ向かいました。志道館ではカナダのナショナルチームと合同練習を行ないました。練習では海外選手特有の力強さを感じ、戸惑うこともありましたが、なんとか自分の柔道を貫き通せたと感じました。しかし、自分の柔道スタイルが通じず投げられてしまう場面も多々ありました。三日目はモントリオールの町を自主見学しました。様々な観光スポットへ行き、洋服などのショッピングもしました。その後、志道館で前日の反省を踏まえて稽古に取り組むことでより良い稽古になりました。練習後はカナダチームと夕食会をし、お互いの国、柔道のことなどを話し、とても有意義な時間を過ごすことができました。
 モントリオールからワシントンへ一日かけて移動し、五日目の朝はワシントンの「ホリデイ.イン.ホテル」で迎えました。半日観光し、日本大使館へ訪問しました。日本大使館では日本とアメリカに関する文化の違いや、客観的に見た日本の印象などを質問し、勉強になることがたくさんありました。その後、日本の古森先生が指導しているワシントン柔道クラブと合同練習を行ないました。ワシントン柔道クラブの人は、積極的に技や組手などの質問をして、柔道に対しとてもまじめに取り組んでいることが伝わってきました。六日目はワシントンの見学を行いました。私の班は美術館、航空宇宙博物館へ行き、とても美しい絵や神秘的な彫刻、ロケットや飛行機の細かな作りなどを見ることができ、とても貴重な経験になりました。夜は古森先生の自宅で夕食会をし、研修メンバーとお酒を交わしながら柔道の話や学校の話、たわいもない会話をし、より絆を深めることができました。七日目はワシントン柔道クラブと講習会、練習、練習試合を行ないました。練習試合は日本の雰囲気と違い、ゲーム感覚で行い戸惑いもありましたが、なんとか大外刈りで一本勝ちすることができました。一日フルに使い柔道を通してお互いを高めあう最高の機会になりました。八日目はジョージタウン大学でドーク教授の「新渡戸稲造と武士道」について講演を聞き、今までやってきた柔道について考え直す良いきっかけとなりました。その後ワシントン柔道クラブと最後の練習をし、研修最後の稽古を終えました。
 九日目は電車で三時間ほどかけてニューヨークへ移動しました。電車の中は旅の疲れでほぼ全員が寝て、ニューヨークでの観光に体力を温存していました。ニューヨークへ着くと、ワシントンとは全く違う町並みで、高層ビルと大きな看板に囲まれとても圧迫感を感じました。その日はバスガイドに案内され、ニューヨークの名所を周りました。特に鮮明に覚えているのは、貿易センタービルの跡地でした。ここで当時のことを思うととても胸が苦しくなり、もう二度とあのような事件が起きないで欲しいと改めて実感しました。夜は先生を含めた研修メンバーで夕食会を行ない、これまでの研修についてみんなで楽しく語ることができました。十日目はニューヨークの町を観光しました。タイムズスクエア、セントラルパークなど、よくテレビでも映るような名所を巡り、たくさんの写真を撮りました。帰る途中で道に迷ってしまいましたが、片言の英語とジェスチャーでなんとかホテルにたどり着き、海外研修最後の日程を無事終わらせることができました。
 今回の研修で特に勉強になったと思うことが二つあます。一つ目は日本が海外からどう見られているかです。カナダ、アメリカ、どちらの人も共通して言うのが「礼儀正しさ、マナーのよさ」でした。日本では当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないという現実を知り、客観的に日本を見られたことがとても良い勉強になりました。二つ目は文化の違いです。食事、挨拶、私生活など、様々な点で文化の違いが見られ、戸惑ったこともありましたが、日本でやっていることが当たり前でない事をあらためて理解しました。このような経験ができたのも、研修の機会を与えて下さった廣瀬先生、菅波先生をはじめ、引率してくださった先生方、最高のメンバーにめぐり合えたおかげだと思います。海外研修に参加できたことを一生の財産にしていきたいと思います。これから社会に出るにあたり、良い経験ができて本当によかったです。これからはこの研修で得たものを自分にプラスできるように頑張りたいと思います。