順柔会(OB会)

2011/01/05

審判員として講道館杯に参加
                                      森 英也(昭和61年卒)


 平成22年11月20日・21日に千葉ポートアリーナで行われた講道館杯に審判員として参加いたしました。昨年度、公認Aライセンスを取得したので、もちろん今年が初めての参加となります。これまで本学の卒業生では、おそらく東京都の池内隆英先輩が参加しただけではないかと思われます。今回の講道館杯審判に至るまでの経緯と参加した感想を述べさせていただきます。
 私はこれまで高校の指導者として、主に選手強化に携わってきました。関東大会や全国大会に選手を引率して、監督としての参加です。しかし、6年前の人事異動を契機に強化の第一戦から離れざるをえませんでした。そして、それまで参加してきた諸大会に、立場を替えて審判員として参加する機会が増えたのです。これらの大会では、準決勝・決勝の審判員になることが度々ありました。少々残念なことですが、出身大学の関係で強豪校の関係者ではないため、その機会が巡ってくるわけです。重要な役目ですが、自分なりに適切な審判をしていたつもりでいました。
 しかし、昨年Aライセンスの試験を受けた時に、審査員の先生方から数多くの改善点を指摘され、初めて自分の未熟さに気がつきました。それ以来、審判技術のレベルアップを図るために、数名の経験豊富な先生と相談して、関東学生の団体戦・個人戦の審判をすることにしました。このとき、複数の先生に私の審判の様子を観察してもらい、改善点について指摘していただいたのです。毎回、試験を受けているのと同様の緊張感で臨んでいました。また、筑波大学を筆頭に国際大会へ出場するトップクラスの選手も出てくる試合なので、最新のルールの改正点についても、いち早く対応することもできたように思います。
 このような経験を経て、講道館杯の審判員要請がきたのです。この大会は説明するまでもなく、さらに上位の選手も出場する大会であり、審判員もトップクラスの方々です。経験豊富な審判員から学ぶことも数多くありました。具体的には、選手・監督・観客から信頼されるような試合になるように、審判員同士が互いに協力しているのを実感した次第です。つまり、審判団のチームワークです。また、試合が終わった直後に、試合を振り返り確認しあったり、ビデオを何度も見直したりしていました。常に研鑽を重ねているということです。審判のこととは離れますが、今までこの大会をテレビや観客席から見ていた訳ですが、間近で見ていると選手同士の組み手や技の攻防が、つぶさに観察でき指導者としての視点も広がるように感じました。
 この一年間で多くのことを学ぶことができ、柔道に携わる者としてまだまだ向上していくことができることに気がつきました。現役の学生選手や指導者として活躍している同窓生の皆さんも、審判員としての活動も視野に入れておいていただきたいと願います。そのためには、以下のことを心がけておくと良いのではないでしょうか。一つめは、昇段です。柔道の資格は、すべて段位が基準となります。大学を卒業するときは四段、三年後には五段くらいが一般的な昇段であると思います。当然のことながら、公認審判ライセンスもできるだけ早めに取得すると良いのではないでしょうか。二つめは、審判をする際には自分の所属する組織以外の審判も積極的にすることです。特に学生の大会の審判は良い経験になるはずです。どこの地方でも、学生大会の予選の審判員は不足がちのはず、申し出れば快く受け入れてもらえることでしょう。
順大は専門家を養成する大学として、今後、講道館杯レベルの審判員を多数養成する必要があるのではないでしょうか。